心臓血管外科の看護師の仕事の概要

心臓血管外科は冠動脈バイパス手術や人工弁置換術など、心臓や血管の外科手術が治療のメインのため、看護師の主な仕事は手術の補助だ。

一般的に手術を受ける患者は術前に検査入院することになるが、そうした手術前の検査も看護師が主体となって関わる。

検査内容はレントゲン撮影をはじめ、CTや心電図、超音波検査、カテーテル検査など多岐にわたるのが特徴だ。

特に、カテーテル検査は手術と同様に患者への肉体的負担が大きく、きめ細やかな看護ケアが必要となるだろう。

また、術後の患者に対して行う全身管理も看護師の重要な仕事だ。

心臓手術の後は患者の容体が変化しやすく、細心の注意が欠かせない。

患者の顔色や出血に加え、疼痛や意識の鮮明の程度などについて看護師の観察を要する。

術後は抗凝固薬や利尿剤といった薬剤の投与が多く、看護師は適切な投薬管理も行わなければならない。

薬剤の投与量を間違えると、最悪の場合には患者の生命を左右するケースもあるためミスが許されないのだ。

退院後に服用する内服薬についても、看護師が適切な服薬法を伝えなければならない。

そして、術後に身体の不自由が生じた患者に看護師がリハビリを行うこともある。

通常は理学療法士がリハビリを施すが、術前から関わっている看護師がサポートするとスムーズに進むからだ。

さらに、術後に長期寝たきりのためせん妄状態に陥る患者もいることから、異常の早期発見に努めることも看護師の重大な役割となる。